ポール・ワークター=サヴォイさんがa-haと別のバンドSavoyでアルバムを発表した1996年から、バンドはインディーズでファースト以降は日本盤が出ないどころじゃない状態だわライヴは小規模だわ…で、一度も観る機会がなく、常々 Savoyをライヴハウスでかぶりつきで観られたらもう思い残すことはない…と冗談交じりで言っていましたが、その機会がついに訪れたのです。
場所は、オスロの中でも最近雑貨やアンティークのお店があっておしゃれで人気のグリュネルロッカという地域にある老舗ライヴハウス Parkteatret(英語にするとPark Theatre)。文字通り公園に面した立地です。
ライヴ前夜、下見に訪れるとあまりの小さなエントランスに現実感がなくなりました。
a-haでは、いつも数千人以上規模の会場ばかりですし、日本で知人のインディーズ・バンドがライヴをする場所みたいな雰囲気なので。
貼ってあるスケジュールのポスターには、つい先月ここでライヴをした日本のバンドワンオクことOne OK Rockの名前が。そこにはソールドアウトの文字も。
とりあえず、隣接したバーでビールを一杯飲んで、近くにあるハンバーガー屋(ガイドブックにも載っているIllegal Burger。美味しかったです^^)で夕食を食べ、宿に戻りました。
当日は、前で観たかったので朝から会場に。チケットは整理番号も何もなしだったので。自分がアリーナクラス以上の「コンサート」だけでなく、日本のライヴハウスでインディーズのギグを見る人間で良かった。勝手知ったる感です。
1月のオスロですから雪景色です。当然寒かったのですが、保温のマイボトルでコーヒーを飲み飲み持ちこたえました(日本みたいに飲み物の自動販売機はないけど7elevenにコーヒーは売っているし近くにはカフェもあり宿のロビーでも安いコーヒーも売られていました)。
ヨーロッパ各地から集まっているファンは、積っている雪でSavoyのロゴを描いたり、月末から始まるa-haのアコースティック・ツアーの話をしたりして時間をつぶします。←私はSavoyを優先したのでa-haには行っていません
入口から正面を見たところ。雪景色です。 この公園のちょうど向こう側で、ポール本のイベントがありました |
並んでいる間に、ポール達3人が正面から会場入りし(狭い場所なので、関係者入口は無くて、普通の正面の入り口からサウンド・チェックに来たのです。びっくり。a-haのライヴ前よりリラックスしたムードでした)、ファンとサインをしたり写真を撮ったり。その他にも、ポールのお姉さん、a-haのドキュメンタリー映画「a-ha THE MOVIE」のクルーの撮影(この映画クルーには2016年のドイツでも会いました)、レコード会社のスタッフなど色々な人の出入りに遭遇。
そして、夕方にはすぐそばでポールの伝記本の作者のトーク・イベントもあり、めちゃくちゃ気になったのですが、私はライヴでいい場所をとることを最優先したので、そちらには行きませんでした。
朝から10時間ほど待ち、やっと会場入り。前日に思った通り狭い!東京で言うと、渋谷のduo MUSIC EXCHANGEとLa.mamaの間ぐらいかな? オールスタンディングです。2階はありません。あとで確認すると、キャパは500人だそうです。
そして、驚きだったのが、『物販がない』。
翌日がアルバム発売日とは言え、日本だったらここで先行で売りますよねぇ。
それどころか旧譜もない。出たばかりの本もない(著者がそこにいるのに!)。
どんだけ商売っけがないのか…そういう人だとはわかっていたが、それにしても…(クラクラ)。
ライヴについては…。期待し、望んでいた通りのライヴでした。
a-haでは、まず、ステージが広い、そして演出もダイナミックにLEDスクリーン等を使って、華やかさもありますが、そういうものは一切ありません。
シンプルに音と、簡単なライティングと、少しのMCのみ。淡々と曲が続きます。
オーディエンスは、7割以上が男性で、しかも年齢層高め(と言っても多分ポールと同年代とかちょっと若い人も多かったんだろうなぁ。なんせご本人が童顔なので^^;)で、たぶんポール信者か、普通の「音楽ファン」。
a-haのライヴと違って、オーディエンス、静かに盛り上がってる感じです。
久しぶりのライヴステージであるローレンは、ちょっとあがっているように思えました。ポールはいつものa-haのステージよりも冷静さを保っている感じでした(自分がヴォーカルもとるからか)。
ゲストで登場したZoe Gneccoちゃんは、さすがにパワフルなヴォーカルでしたが、ポールのお客さん相手だからか、やっぱり緊張している感じでした。
派手な演出もギミックもない、淡々としたロック・バンドのギグでした。
ポールのルーツである60年代70年代の空気も感じられる、「ただのロック」。
しかし、私は、長年これを望んできたんだなぁと、目の前の風景が信じられないような想いで全身でSavoyの音を浴びていました。
自分でも驚くぐらい、写真も動画も撮っていません(もちろん撮ったんですけど、過去のa-haの時のように大量には撮っていないと言うこと)。近過ぎてちゃんと撮影出来ないというのと、とにかく、自分の目で見ていたくて。
最前列だったので、目の前1メートルぐらいのところにポールがいて、しかもライヴハウスだから、ステージが低い。この距離感は最高すぎて、現実感がなさすぎでした。
こんな感覚は、初めてだったかも知れません。
ギタリストがエフェクター・ペダルを踏むのが好きなんです。フェチ動画(爆)
改めて撮って来た動画を見てみたら、ホント近い近い近い!と連呼したくなりました(笑)ライヴが終わってしばらくすると、Savoyのメンバーがオーディエンス・エリアに来てくれました。
日本のインディーズ・バンドでは、こういうのは、よくある光景だし、慣れているのですが、これまた驚きました。だってa-haの時と違いすぎるじゃないですか~!
しかし、オーディエンスの皆さん、もちろんメンバーにサインとか写真とか頼んだりしてるんだけど、ものすごく「普通に」話しかけてるんですよ。もちろん皆さん嬉しそうなんだけど、かなり冷静。大人の男性が多いからってのもあるでしょうけども。
「ポール、ギグ良かったよ!」「おう、ありがとな!」みたいな感じ。
ライヴハウスの中は狭くて混み合っていてごちゃごちゃだったんですけど、以前日本で大量のa-haのファンに囲まれているポールを見かけた時の、落ち着かない感じとは違って、(多分、アルバムも出せて、ギグで思ったように出来てってのもあり?)満足げでにこやかでした。
そういえば、BridgesのベースでおなじみViggoと挨拶出来たのは、嬉しかった。2016年のファン・コンヴェンションで質問したり、ネットではやりとりしたことがあったのですが、実際目の前で会って言葉を交わしたのは初めてです(時代だなぁ)。
ライヴ開演前、待ってる時に、ジモティ男子に「オスロでおすすめのレコード屋はどこ?」と質問したんですが、結局おすすめされたのが、ライヴ2日後にポールとローレンがサイン会をする店で、サイン会当日の朝には日本に帰る便に乗ることになっていたのでサイン会には行けなかったんですよね(遠い目)
それは残念でしたが、とにかく、ライヴ翌日、買い物に行ってみました。インテリアは木を基調にしていて、いかにも北欧という感じの、かわいいお店。そして、レコードしか売っていなかった!(CDを売っていない)
この写真は許可をもらって店内から撮ったもの。 ドアにSAVOYの新譜とサイン会告知ポスターが貼ってある。(ダメ元で欲しいな~と言ってみたがダメでした) |
レコード屋の前には、POPSENTRET(ポップセンター)という、ポピュラー音楽ミュージアムに行きました。
MVが観られるジュークボックスみたいな機械にはありとあらゆるa-haのMVが(ほとんど)入っていたり、あっちこっちにa-haがありました。想定内です。でも、やっぱり嬉しかったね。観に行ったのはSavoyだけど。
しかし、さすがに、モートンのソロまであるとは気が付かず、私がおススメしたので後日行ったMisakiさんは気が付いたというあたり、笑えます。
Misakiさんのモートンサイト
(http://www.morten-harket.jp/?p=4704)
私はきっとベルゲン(Savoyの再発をしてくれたレコード屋がある)か、トロンハイム(Bridgesのセカンドアルバムを出してくれたロックハイム=ロック博物館がある)に行くべきだったんでしょう…。
(そして後日、2020年2月にトロンハイムのRockheimに行きました)
話は前後しますが、オスロはホテルが高いので、今回、ついにホステルを利用しました。
ホステルとは、学生寮みたいな感じで、知らない人と相部屋になる簡易宿泊施設です。
同じ部屋には、台湾の20代の女の子と、フランスの30代男性(イケメン)がいて、そういうところに泊まるような人間はあちこち旅行する人に決まっているので、部屋に居る間は会話が盛り上がって楽しかったです。あ、国籍はバラバラですが、共通言語は英語です。若い台湾女子はa-haを知らないと言っていたので、動画や写真を見せて布教しました。彼らが50代と聞いて、そんなふうに見えないと驚き、曲を知っていた!と驚き、30年以上ファンな私に驚き(爆)、結局モートンがかっこいいと言われ、まあ別にいいんですけど(←ワークターリズム)。
ライヴ翌日、買い物のあとの夜、オスロ郊外の地元マグネ・ファンの家にお邪魔して来ました。Savoyを観るために集まっていた面子だったためか、a-haファンの集まりなのにポール・ファンとマグネ・ファンしかいない、妙に濃い集会でした(爆)
初めてノルウェーの人の普通の家にお邪魔したのですが、噂通り、玄関でコートと靴を脱ぐようになっていて、これだ!と嬉しくなりました。雪で家の中が濡れないようにっていうことですな。
お宅にはマグネのリトグラフ(ホンモノ!)が小品ながら飾ってあって、感動しつつ、マグ・ファンもフォローしなきゃいけないコトが色々あって大変だなぁ…と思ってしまったり。
そして、自分の子供の保育園がモートンの子供と同じ保育園だった人がいたり、モートンの家の前の道が変な所を通っていて困るとか、地元密着な話題がガンガン出て面白かったです。
…いつもMisakiさんのa-ha旅行記を読んで面白いなーと思うので自分も少し書いてみるかと思って書いてみたんですが、あんまり面白くないんじゃ…(自爆)
なんせ、正味2日半ぐらいしかオスロに居なかったしね。