27.3.12

a-ha – Interview am 20.07.2010 [http://www.soundbase-online.com/a-ha-interviw-am-20-07-2010]

ドイツのオンライン・マガジン。ポールの単独インタビュー。 2010年の来日2週間前ぐらいのもの。水色マーカーした部分が、個人的に注目発言。
http://www.soundbase-online.com/a-ha-interviw-am-20-07-2010

a-ha – Interview am 20.07.2010


昨年の10月、a-haは大規模なワールドツアーの後、12月に友好的に解散をすると発表した。今年8月には、キャリアを振り返る最後のアルバム「25」も発売になる。現在a-haはハンブルグとミュンヘンで最後のプロモーション・ツアーをしている。ポール・ワークター=サヴォイはミュンヘンで質問に答え、a-haとの情報も提供してくれた。

ポール、a-haの、80年代、90年代、そして今の違いについて説明してくれます?

ん、えっと、80年代には、エレクトロニック・バンドとして始めたところで、そういうバックグラウンドがあった。作曲はかなり違っていて、そんなに単純じゃなかった。プロセスも焦点もサウンドのほうに向いていた。>最初の2枚のアルバムはそういうものにすごく影響をうけていてそっちの方向を向いている。俺たちa-haはこういうエレクトロニックなものが大好きだった。あの時代を振り返ってみると面白いよ。特にa-haがまだ興味をもたれていなかった時代をね。俺たちは自分たちのためだけに演奏し、よそで起こっていることを見ているだけだった。90年代が始まり、俺たちはもうそんなに無名ではなくなり、ツアーもたくさんするようになった。エレクトロニック・バンドのままツアーを続けていたら、すべてのコンセプトに柔軟性がなく、どのショウも基本的に同じになってしまう。俺たちはそうなりたくなかったし、もっと有機的なバンドになろうとした。キャリアの中ごろのアルバムは、そういう方向性。そして、2000年台には全部をミックスし始めた。

ファンはさよならツアーに何を期待できる?

いやー、簡単じゃないよ。あんな大事なツアーのために曲を選ぶっていうのはねえ。a-haの歴史をカバーするタイム・トリップみたいなものにするのがいいんじゃないかって、俺たちは考えたんだ。最後の曲から最初のシングルまで全部ある。全部のアルバムから、ちょっとずつもってきて、うまいことミックスできたらいいな。

毎晩セットリストを変更したりして、サプライズはありますか?


ああ、サプライズも変更もあると思う。でもね、いろいろ重要なファクターがあって決定されたっていうことは忘れないでほしい。中盤で、アコースティック・パートがあって、そこでサプライズ・タイムがある予定だ。これだけ大きなプロダクションになって、ライティングもすごいと、幅は限られてくる。沢山の人がかかわっているから、自然に変えたりは出来ないんだ。だから、アコースティック・パートだけを自由な部分っていうことにした。だけど、ファンは、払っただけのものは得られると思うし、ショウの他の部分がぜんぜんつまらないっていうわけじゃないから(笑)

どうしていつも『テイク・オン・ミー』が最後の曲なの?

ん、うん、今はそうだね。でも全部のツアーでそうだったわけじゃないよ。いつだったかから最後の曲になって、だんだんいい感じになって、今はいい伝統みたいなもんだ。

『バタフライ』はいつ作られましたか?背景も教えてください。



ん。俺たちのレーベル…ワーナー・ブラザースから、頼まれてたんだ。今度発売のコンピレーション・アルバム「25」に、未発表曲は入れられないかって。過去にも特別な曲を作ったことはある。たとえば、ジェイムズ・ボンドの映画用とか、『サマー・ムーヴド・オン(果てしない夏)』とか。そういう曲を書くのは、俺にはすごいプレッシャーなんだ。血が沸騰するみたいな感じになる。最後の曲を書いて録音するなんて、まったく俺らしくない。俺はむしろ一枚アルバムを完全にレコーディングしたかったし、そのほうがすべてを完璧に終えられたはずだ。『バタフライ』は、お別れを言う唯一の曲なんだ。曲そのものはそういう特別な時に自分の頭に浮かんだことすべてを含んでる。

ビデオのアイディアは誰が?


ビデオは、いい感じになった。スティーヴ・バロンに頼んだんだ。手伝ってくれないかなって。スティーヴは俺たちの最初のビデオと、それからもう少し、6本か7本?作ったと思うんだけど。最近彼はビデオはやってなくて、映画だけ作ってるんだけど、曲を聴いて、すぐ気に入ってくれて、俺たちとビデオを作る用意を始めてくれた。それからロンドンで2週間前に撮影をして、うん、すごくいい感じに出来た。

ポール、今までのキャリアで、一番忘れがたい思い出はなんですか?


おっと、これは難しい質問だなあ。だって、多すぎるしみんな違うし…つまり…ワーナー・ブラザースに招かれて、契約書にサインした日のことは覚えてるよ。アメリカから来た偉いボスたちと一緒に座ったのが、俺たちにはすごくおかしくて。ぜんぜん違う、忘れられない思い出は、リオで200,000人の前で演奏したことだな。もう「うわー!」って感じだった。それから、最初のナンバー・ワン・ヒットを出して、でっかいリムジンに乗ったときには、自分たちに起こっていることがまったく信じられなかったっけ。いっぱいありすぎて、全部説明するのに数年かかるよ。

ご自分の意見では、どの曲が一番評価されていないと思いますか?


えっと、沢山あるよ。 最初のアルバムでは、たとえば、『ボーイズ・アドベンチャー』は、まったく評価されてない。「スカウンドレル・ディズ」では、うん、えっと、わからないなー…どの曲もかなり個人的で、個人的趣味のものだから。これは難しいなあ。だって、プロダクションのせいだけが理由ってこともありえるわけだし。ある意味、シングルにするのは無理っていう曲もあるって認めなきゃいけないってことだね、難しいけど。

どのa-haのアルバムがあなたにとって重要ですか?理由も教えてください。


ヒュー、またも難しい質問だな。今はただ、全部のアルバムとしか言えないなあ。たぶん、それは正しいけど、質問の答えになってないよね。俺にとっては、実は、アルバムそのものが重要というわけじゃないんだよね。そのために曲を書いたプロセスのほうを、よく覚えてるから。これが自分だけの世界で、どうやってとある曲が書かれたのかっていうのは、よく覚えている。実際、アルバムについてよりも、一曲一曲についてのほうが、もっと考える。うん。だけどアルバムのタイトルをあげなきゃいけないんだったら、それはきっと、ファースト・アルバムだろうな。理由?ただ、あれが最初のアルバムだったからっていうことで、あのアルバムですべてが始まったから。そのせいで何もかも変わったからね。それから、「メモリアル・ビーチ」みたいなアルバムを作れたっていうのも、すごく良かったと思ってる。あのレコードは、たぶんそんなに売れなかったけど、自分で誇りに思っているっていうことのほうが重要だ。>すごく違った要素が入っているし、あのアルバムを作れたのは嬉しい。いろんな色彩のあるアルバムで、俺は単純にそこを気に入ってるんだ。

まったく気に入っていないa-haの曲はありますか?


ああ、うん(笑) ん。時々ね。曲の中には、自分自身にとってはものすごく重要じゃないものもあるわけだけど、誰かはその曲を聴いてものすごく感動したりすることもある。誰かにとってひどい曲だったとしても、基本的には俺自身には関係なかったりもする。だけど、これはとっても個人的なことだから、曲名は言わないことにするよ。a-haのこの曲やあの曲が気に入っていないなんて言うと、反対する誰かが、その曲は気に入ってるなんて言うしね。

a-haという章が、いま閉じられようとしているわけですが、寂しく思うことはなんでしょうか。


今現在は、12月5日以降の自分はいいなあって思ってる。新しいことに完璧にオープンで、自分の自由だってあるからね。もう話し合いもしなくていいだろうし。うん。もうすぐ、そういう自由を勝ち取るわけだ。次の年になったら違うふうに考えるだろうけど。寂しいのはツアーかな。ステージに立って演奏するのは、とても特別な感じで自分たちと同じようにやっている人を見たら、すごいと思うだろうから。それはもう寂しいよ。

a-haの最後のコンサートのあと、何をする予定ですか?

いい質問だ。何をするだろうね? ニュー・ヨークに帰るよ。

a-haでは、もう語りつくしちゃったなってはっきりしたのはいつ?その理由は?



曲は知ってる? 曲の中ですべて語っているはずだけど?

a-haの曲なら、だいたいは。 a-haはもう終わりなんだなって気がついたのは、いつでしたか?


たぶん、「フット・オブ・ザ・マウンテン」の後に、その時期が来たんだと思う。

理由はなんでしたか?



えっと、バンドにいると、すごく沢山の異なった意見やら出来事やらが、創作に影響するんだ。25年の間、ずっと続けてきて、もう語りつくしちゃったかなっていうこともわかったし、単純なことだけど、自分自身をコピーして繰り返すべきじゃないっていうこともある。

a-ha時代のあとにはどうなるんでしょう?またお互いに顔を合わせたり、それとも、一緒に仕事をしたりするのか?

だといいね。単純に、また一緒に仕事が出来る機会があるといいと願ってる。

インターネットについてはどう思いますか? 近頃はバンドにとって、いいと思いますか、悪いと思いますか?

いい質問だし、この点については延々と議論できるね。いまだにCDが出たときのことを覚えてるけど、うん、今やインターネットがあって、音楽ビジネスは、まったく変わってしまった。多分、こういう面については、誰も考えなかったんじゃないかな。今や、音楽を創るのは簡単なことでもある。どこででも手に入れられるようにすることもできる。スタジオでの作業全体も、楽になった。セールスは、明らかに縮小した。でも、何についても、いいところも悪い面もあるよ。

DVDの発売予定はありますか? 最後のコンサートのライヴとか?

ああ、ショウを何度か撮影するだろうと思ってる。それから、最初のアルバムを、ボーナス・マテリアルつきで再発売するし、コンピレーションCD(25のこと)も発売になる。それからビデオのブルーレイ・・・まだ沢山やることがあるね。 

Savoyの予定はどうです? 新曲とかツアーとか?

うん。まだやってないことをやりたいと思ってる。新しい曲も書いてるし、新しいバンドも始めるかも。でも新しいSavoyのアルバムを録音するだろうな。

自分自身の予定はどうですか?10年後もどこかでミュージシャンでいる自分が想像できますか?


俺はいつでも曲を書いてるし音楽をやってる。何も発売されない時期が長く続いても、音楽はやり続ける。そうしていたい。9歳のときから、そうやってきたんだから。10年たってもそういう情熱を持っていたい、実際その点について、まったく不安は感じていないよ。

ポール、インタビューに答えてくれてありがとう。これからの成功を祈ってるよ。a-haの最後のコンサートも楽しんで!

こちらこそありがとう!